バイエルン放送響来日2018 #BRSOonTour2018ASIA
ウィーンフィル来日公演からちょうど一週間の11/27、バイエルン放送交響楽団(以下BRSO)来日公演を聴いてきました。
長らくBRSOとタッグを組んでいるヤンソンスが怪我で急遽降板し、メータが代打と聞けば何が何でも行かざるを得ない。大好きな指揮者が大好きなオーケストラと大好きな曲を引っ提げて来るとなれば、決して安くないチケットを喜んで支払う。文化的で最低限度の生活に必要な支出ですし(???)
出演
演目
- リスト ピアノ協奏曲第1番
- ショパン 子犬のワルツ(アンコール)
- ブラームス ワルツ第15番(アンコール)
- ラフマニノフ プレリュード「鐘」(アンコール)
- ストラヴィンスキー バレエ音楽「春の祭典」
- チャイコフスキー バレエ「白鳥の湖」ワルツ(アンコール)
まずリストのピアコン。今回初めてキーシンの演奏を聴いたのに、聴いていると懐かしくて落ち着く。原因を考えた結果、私の実家にあるピアノソロCDのほとんどがキーシンという環境で育ったために、私はピアノといえばキーシンという価値観を持っているからみたい。失念していたというよりもこれまで無自覚だった。
これまで何万回と聴いているうちに、キーシンのプレイスタイルが自分の中に取り入れられていた。それだから今回聞いていて、楽器の鳴らし方やフレージングだとか、一つ一つが自分の中で共鳴するような感覚さえあった。無自覚だった最初は不思議な感覚だった。
そういえば、アルゲリッチやポリーニ、ピリスなど超一流ピアニストを聞き出したのはクラシックを本格的に好きになってからだった。彼ら彼女らの良さと自分なりに解釈していることは、実はキーシンと比較して秀でていると感じられた部分なのかもしれない。そういった自分の中の偏りを自覚させられた。
アンコールはメジャーオブメジャー曲。とくに鐘は和音の全ての音を均一に、楽器全体を無理なく太い音を鳴らしていてよかった。ピアノなのに金管楽器のような太い音で気に入った。
今日と明日、サントリーホールでのエフゲニー・キーシンとの演奏を楽しみにしております。@SuntoryHallE #brsoontour pic.twitter.com/nNSJOsXApW
— BRSO (@BRSO) 2018年11月26日
そしてハルサイ。どの管楽器もハチャメチャに上手かった。BRSOの管はベルリンフィルにトラで乗ったり、はたまたそのままベルリンフィル首席になってしまう人が多いというのが納得。みんなハチャメチャに上手いもの(大事なことなのでry)
どの奏者もよく鳴らすのだけど、決して無理に鳴らしてるわけでなくて、適切な息の量を用いて楽器が一番鳴る場所で鳴らしている。それをセクション全員で適切にハモっていくからたまんない。有名な変拍子でパーカス隊が硬い音でオケを締めていくのも格好良かった。
体調が心配だったメータは足腰こそ不調で一人歩きも出来ないほどだったけれど、一度指揮台に置かれた椅子に座れば巨匠降臨。ハルサイは複雑な変拍子含め暗譜で的確にオケを統率していった。しばらく指揮活動できていなかったとは思えぬ指揮っぷり。さすがマエストロ、未だ衰えを知らない。
すっかりハルサイでバレエの頭になったところでアンコールは白鳥湖のワルツ。マエストロは日本が被災したらすぐさま駆けつけてくれたり湾岸戦争時も自ら赴いていたり、慈愛の心で満ち満ちていると思っていたけど、まさかここにきてプティパ生誕200周年にお気遣いしてらっしゃるの!?えぇ~どれだけ仏なの~!?!?!?と小パニック。
たまたまかもしれないけれど、華やかなプログラムが続いたあとに白鳥湖ワルツは締めくくりに相応しい。リストのコンチェルトとハルサイという2幕もののバレエを見たあとのアポテオーズにも聞こえたし、日本公演最後にはぴったりだった。
ハルサイでややバレエモードの頭になったあとに白鳥湖のワルツときて、えぇ〜!?マエストロったらプティパ生誕100周年にまで気遣うの〜!?!?どこまで仏なの〜!?となったオタク pic.twitter.com/UCloGrsSwj
— wagnerdeko (@wagnerdeko) 2018年11月27日
本当は26日の英雄の生涯の公演を聞きに行く予定が、日時を間違えて覚えていたせいで行けず…。泣く泣く27日のチケットを取り直して行ったという経緯がだったのだけれど、結局行って正解だった。仮に26日行ってたとしても間違いなく27日のチケット取っていただろうし。もし日本ツアー最初の公演に行っていたら全通していただろうな。
チケットの価格は目が白黒してしまうほどだったけれど、一気に償却してしまった気分。いい演奏に出会えたらチケット代は実質無料。
最高の演奏会でした。