横浜音祭り2019 アンサンブル・ウィーン=ベルリン 協奏曲の響演
10月6日、アンサンブル・ウィーン=ベルリンのメンバーによるモーツァルトのコンチェルトを聴いた。ウィーンとベルリンの名手を集めたこのアンサンブル。聴く前から分かってたけど、とびきり上手でした。
出演
フルート:カール・ハインツ=シュッツ
オーボエ:ジョナサン・ケリー
ファゴット:リヒャルト・ガラー
ホルン:シュテファン・ドール
管弦楽:アカデミッシェ・アンサンブル
演目
モーツァルト:ホルン協奏曲第4番
モーツァルト:フルート協奏曲第1番
「究極のモーツァルト・コンチェルト」…。異論はないけど主催者側が言っちゃうのね。
・fgコンチェルト(ガラー)
ガラーはメンバー内唯一のウィーン響ということもあり、音源等で聞いたことがほとんどなかったので期待値は未知数だったのだけど、シンプルに上手だった。音色の美しさもさることながら、
ガラーが上手すぎてファゴットの可能性を見せつけられたし、ファゴットの音色の美しさに気づけた。ファゴットという楽器を理解してる気がしてたけど、私ファゴット何も分かってなかったんだと突きつけられた気分。これまで私が聴いてきたファゴットとはなんだったんだろう。
・obコンチェルト(ケリー)
上質なシルクのような音色が特徴のケリー。ベルリン・フィルデジタルコンサートホールで何度も見てきてあの音色が大好きで、来日時の演奏会には足を運ぼうとしてたけどなかなかタイミングが合わず…やっと生で拝めた!
あまり練習できていないのか、暗譜してないわ指が回らないわで心配になる箇所があったけど、音色がとにかく美しいので許せる。インターネットが生んだ架空の存在じゃなく、ちゃんと実在してたんだなぁ。しみじみ。
・hrコンチェルト(ドール)
上手い、うまい(こなみ)。間違いなく彼が世界一のホルン奏者。
・flコンチェルト(シュッツ)
去年のウィーンフィル来日演奏会でも前プロに乗っていて、その上手さにくらくらしたのが記憶に新しいシュッツ。流石ウィーンフィル首席、音程が全くぶれない。こんなこと人間が出来るの?ってことを軽々とやってのける。
シュッツってパユに比べて暗い燻銀のような音だと思っていたのだけど、実際聴いてみると決して暗い音ではなかった(パユが明るすぎる)。ゴールドの楽器らしい華やかな音はするけど、キンキンせずオケに入ったら溶け込む音。そして音の密度が濃く、高低音すべて同じクオリティ。はーすごいや。
・clコンチェルト(オッテンザマー)
オッテンザマー家・長男アンドレアス、普段チャラチャラしてるしテニスばかりやってるのに、とてもそんなふうには思えない上手さだった。この5人の中で一番上手かった。
デジタルコンサートホールを視聴していて、アンドレアスは今年とくに20/21シーズン開始くらいからさらに表現の幅が広がったという印象を抱いていた。その印象どおり、コンチェルトでも様々な表情を見せてくれた。本人のちゃらちゃらしたキャラクターから明るい音ばかり出すプレイヤーだと思いがちだけど、しっとり歌ったり、暗い表情も見せてくれる。弾き振りならぬ吹き振りも完璧だった。どこまで才能豊かなのよ…(すき)。
いやはや上手かった。今度はオケなしで彼ら5人手加減なしのアンサンブルを聴きたい。