クラシックコンサート 若者向け割引制度まとめ オーケストラ編
オタク友達から「オペラやバレエ公演に行ってみたいけど何を見たら良いのか分からない」「学割使えるうちに行ってみたい」という相談を受け調べたところ、若者向け割引制度についてまとめたサイトがないので、クラオタの私自らまとめることにしました。
クラシックに興味のある若い層のみなさん、是非とも割引を駆使して行ってください!!!
クラシックの演奏会ってお高くて敷居が高いと思われがちですが、割引を使えば飲み代1回分くらいで行けます。飲み会1回我慢すればリッチな公演を見られる、そう思えばとってもお得ですよね!!(かくいうわたしは飲み会も演奏会も我慢したことないけど)行ったことない人も敷居の高さなど考えず、まずは行ってみて欲しいです。
さて、若者向けの割引と一口に言っても、以下の通りに大別されます。
- 学割
- U25割
- U29割
- U39割
ざっくり4種ですが、学割とU25割が大半を占めます。
それも学割に関しては「学生」でありながら(科目履修生など学生証が付与されない学生は割引されない)、かつ「25歳未満」という縛りがある場合がほとんど。25歳以上は働いて満額で買ってくれ~というスタンスなのです。ドクターで研究に勤しんでいる皆様にも恩恵を…!
逆に言えば、U29割やU39割は「学生」という縛りがないので、社会人でも年齢さえクリアすれば割引価格で見られます。
美術館デートがあるように演奏会デートだっていいじゃない。大学オケに所属している人たちももっと見に行きましょうよ。演奏会へ足を運ぶことがもっと一般的になってほしいという願いを込めてこのブログを書きます。(念の為書いておきますが、私は芸術団体の関係者でなく一介のオタクです。ステマじゃないです)
さて前置きが長くなりました。オーケストラ、バレエ、オペラの公演における若者向け割引制度をご紹介いたします。
1.オーケストラ公演
オーケストラといっても海外団体と国内団体で異なるので、国内オケと海外オケで分けてご紹介します。
1.1 在京オケ
国内団体としましたが、東京近郊で活動する通称「在京オケ」しか知らないので、今回は在京オケについてだけまとめます。
今回の対象団体である在京オケとは、以下の団体とします(かなフィルもおおよそ在京ということで含めました)。挙げてみると多い。
- NHK交響楽団(N響)
- 新日本フィルハーモニー交響楽団(新日)
- 東京交響楽団(東響)
- 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団(シティフィル)
- 東京都交響楽団(都響)
- 東京フィルハーモニー交響楽団(東フィル)
- 日本フィルハーモニー交響楽団(日フィル)
- 読売日本交響楽団(読響)
- 神奈川フィルハーモニー管弦楽団(かなフィル)
リンク先は各オケのホームページです。
・N響
日曜21時から放送されているクラシック音楽館のおかげか、老若男女広く知られているオーケストラ。
NHKがバックにいるだけあって、招聘する演奏家が音楽監督のパーヴォ・ヤルヴィをはじめ、元ウィーンフィルのコンサートマスターでゲストコンマスのライナー・キュッヒル、天才ピアニストのアシュケナージ、90歳過ぎてもなおお元気なブロムシュテットなど、名だたる方ばかり招聘している。いつも予算感がすごい(その分チケ代は比較的高めなのだけど)。
N響の若者向け割引は、ユースチケットという名で25歳以下を対象に販売されています。割引適用外の公演もあるので、公式サイトの公演情報を確認しましょう。
ちなみにユース定期会員なら1公演あたり1,000~1,300円とお得感満載です。一回券は、S席5,500円、A席4,500円ほどでやや高めなのも鑑みると、定期を買ってしまうというのもありかもしれません。私もシーズン会員になろうか考えているところ。
・新日
小澤征爾が設立に携わり、日本初のホールとフランチャイズ契約を結んだオケ。すみだトリフォニーを拠点としており、下町オケとして住民とのつながりを重要視しているのが特徴。東北の大震災当日に、観客たった5人のためにマーラーを演奏してNHKのドキュメンタリーになったことで、その特徴が顕著となった印象を受けています。
また、ピリスやウィーン・ベルリン・ブラスクインテットなど、名プレイヤーを招聘してコンチェルトをやってるのも魅力。
新日は、おおよそどの定期演奏会でも学割を実施している模様(公式サイトの公演情報に学割マークがあるか要確認)。25歳未満という縛りはなさそうなので、学生証を付与された学生であれば何歳でも良さそうです。
ただし、開演15分間に空席がある場合のみ、当日券窓口で1000円で学生向けに販売されるシステムなので、事前に手配できないのが玉に瑕。事前に手配するからこそワクワクするというのに…。Twitterで当日券販売状況を確認すると良いでしょう。
・東響
恥ずかしながら、東響はまだ演奏会に足を運んだことがないのです…。新国立劇場のオペラ・バレエ公演でピットにおられることがあるので、演奏こそ聴いたことあるのですが。
川崎のミューザ川崎を拠点にしているので神奈川県民の皆様は身近でしょう。ラゾーナでお買い物ついでに演奏会へ足を運ぶなんて素敵な休日…!
学割は当日券のみで、24歳以下(一部25歳以下)という縛りもありますが、1,000円という破格っぷり。こちらもTwitterで当日券販売状況を確認してからホールへ向かうのが良さそうです。
・シティフィル
シティフィルも東響同様に聞きに行ったことがないのだけど、U20割(800~1,000円!!!やすっ!)、U30割(1,600~2,000円)、江東区民割(それぞれ200円引)と割引制度が充実していてびっくり。江東区と芸術連携を結んでいるから区民割があるんだろうなぁ。
・都響
オタクからの支持率No.1の都響。何と言っても安い上に面白い演奏を聞けるのでコスパが良い。私も大好きなオーケストラです。
特にオススメの指揮者はアラン・ギルバート。音楽監督の大野和士も気になってるものの聴きに行けてない…。
都響はU25割。全公演で割引適用可(一部座席は割引適用外)、そしてネットで事前手配可能、座席選択可能という嬉しい三拍子つき。本当に本当にありがたい。
・東フィル
東フィルはピットにいることが多いし定期も稀に足を運んでいるので、何だかんだ一番聴いているオケかもしれません。定期演奏会に加えて新国立劇場公演やテレビ収録、映画やゲームのコラボコンサート、東急ジルベスターコンサートなど兎に角引っ張りだこなオケ。いつ休んでるのか心配になるレベル。
聞く前は映画音楽コンサートをやってたりするので、チャラチャラしたオケと思ってましたが(ごめんなさい)、そんなことは一切ない真摯なオケです。初めて足を運ぶなら、チョン・ミョンフン指揮の公演が個人的にはオススメ。
学生ならば、当日券の販売があるときに限り1,000円で聴けます。一度利用したことがありますが、当日ふらっと足を運んで聴ける気軽さが良かったという思い出。
・日フィル
日フィルはヤマカズとのマーラーツィクルスをやってるときに一度聴きに行きました。最近は行けてないけれど、インキネンやラザレフ、コバケン(小林研一郎)との演奏会は良さそうな予感。あと、今年の第九は井上道義とやるみたいなので聴きに行きたい。
日フィルはYsシートが各公演設けられていますが、対象年齢は公演ごとに異なるので注意が必要です(見たところ、さいたま公演は19歳以下、それ以外は25歳以下対象となっているもよう)。
価格は大体1,500円ほど(第九は3,500円、さいたま公演は2,000円)。ネットで事前手配可能です。
ちなみに、25歳未満向け定期会員もあるそう。S席以外から選択可能で、年間13,000円、半期7,000円と格安。
定期会員になると、サントリーホール真横のANAインターコンチや横浜ベイホテルでの割引特典があるらしい…!ちょっと魅力的。
1公演あたり1,000円ちょっとなので、ホテルでの割引特典を勘案すれば実質無料ですね(?)
・読響
読響はカンブルランとのマラ7を聴きに行ったことがあるだけなのですが、月1で放送される読響シンフォニックライブで何となく身近に感じているオケ。コンマス勢が皆様飛び抜けて上手なのがこのオケの特徴。
聞きに行くなら、カンブルランやテミルカーノフがおすすめ。首席客演のマイスターも良さそう。
読響は開演15分前に残席がある場合のみ学生を対象に2,000円で販売されます。15分前とされてはいるものの、販売前から整列して待機していなければならないので早めに会場に到着しておくことを推奨します。開演ギリギリに座席に到着するので、バタバタするのも必至。
割引価格で見られるだけ有り難いとはいえ、落ち着いて見られるように割引制度を改善してほしい…。出来るだけチケットを捌きたいというのも分かりますが。
ちなみに学生定期会員もあり。サントリーホールでの定期演奏会なら1回あたり1,500円ほどで見られます。おそらく定期会員なら席を確約されているので、バタバタすることはないかと思われます。
・かなフィル
若手日本人指揮者で注目株の川瀬賢太郎が常任指揮者を務めるかなフィル。危機的財政状況なので、応援の意を込めて一度聴きに行きたいと思ってるものの、まだ一度も聞いたことがない…。一度カワケン見に行きたいとは思っているのですが。
かなフィルは25歳以下対象にユースチケットを当日販売しているもよう。定期演奏会なら1,000円!安い。定期以外でも定価の半額。神奈川県民の皆様にはこぞって足を運んで欲しいです。
ちなみに任意の5公演を選択できるセレクト・ファイブ定期なら、1回公演あたり600円!!飲み会どころか巷でランチするより安い…!
以上をまとめると以下の表のようになります。
1.2 海外オケ
在京オケじゃ満足できないという本物志向ならこちら。値は少々張るし、割引率も良くないけれど、本場の本物は感動度合いがまるで違います。若いうちに本物を聞いておいて損はないです。
海外オケは、招聘団体によって割引制度があったりなかったり様々です(基本ないと思ってあったらラッキーくらいのスタンスのがイライラしないです)。
本稿では招聘団体は、KAJIMOTOとジャパン・アーツ、日本舞台芸術振興会(NBS)の3つとします。他にもあるけれど詳しくないので割愛させてください。
稀に協賛企業がチケットの料金の一部負担して、学生席を設けてくれる場合もあります。枚数こそ限定的だけれど、破格で見られるので強くおすすめしておきます。
・KAJIMOTO
カジモトは基本的に割引はなさそうです。例外的に唯一、カジモトが主催する音楽祭ラ・フォル・ジュルネは当日U25割があります。私も利用したことがありますが、元値が安いこともあって手頃な価格で聴けました。当日販売分のみ適用のため、ホールA以外は取るのは難しいでしょう。カジモトオフィシャルtwitterで販売状況を確認できるので参照されることをおすすめします。
・ジャパン・アーツ
カジモトに比べジャパン・アーツは学割が充実している印象。確認できただけでも、社会人学生を除く25歳以下の学生対象に、全ての公演が通常料金の半額で見られます。ありがたい。
あわせて時計メーカーのSEIKOが学生席のチケット代を一部負担してくれる「SEIKOシート」もあります。こちらも上記同様、社会人学生を除く25歳以下の学生が対象。
去年はウィーン響、今年はSKDと超一流の演奏会を5,000円程度で販売していたのを確認しています。枚数は極めて少ないので争奪戦は必須です。発売時刻と同時に手配するつもりでいれば、きっと取れるはず。
・NBS
NBSはバレエやオペラを招聘するのがほとんど。オケは稀に招聘している…けど、割引制度もあります。すべては創始者の佐々木忠次氏のおかげでしょう。佐々木忠次氏へのリスペクトが止まらない。
今の時点で確認できる、来年2019年1月に来日を予定しているムーティ/シカゴ来日公演では割引があることが確認できています。特別協賛の大和証券が費用を一部負担するかたちで、25歳以下対象に各公演5,000円で販売予定。販売枚数は極めて限定的で、即完売が予想されます。
上記のSEIKOといい、大和証券といい、特別協賛する企業さん本当にありがたい。
***
以上、クラシックコンサートの若者向け割引制度 オーケストラ編でした。調べられるだけ調べましたが、一介のオタクの情報なので抜けがあるかと思います。公式ホームページをご確認の上、足を運んでいただければ幸いです。
一人でも多くの若い層の方がクラシックコンサートに足を運ぶ一助となりますように。
オペラ編とバレエ編も近々書くつもりですが、一体いつになることやら…(白目)